診断士コラム

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超高速開発でSIビジネス改革を(2)

前回のコラムからの続きです。前回は超高速開発ツールを使ったSIビジネスとして、3つの方向があるとお伝えして、そのウチの1つについて解説しました。今回は、残りの2つについて解説していきたいと思います。まず、前回も記した3つの方向は以下の通りです。

  1. システム開発を超高速開発ツール(TALON)で行う。
  2. セミパッケージを作り、パッケージ製品とスクラッチ開発の中間的なシステム開発を行う。
  3. (やや小規模開発向け)顧客要望を受けて、即座にプロトタイプを作り、そのプロトタイプを用いて提案する事で受注につなげる。

1については前回のコラムを参照ください。

2のパターン

「セミパッケージを作り、パッケージ製品とスクラッチ開発の中間的なシステム開発を行う」について説明していきます。

これは、1から個別の要件に対してシステムを開発するのではなく、あらかじめ対象の業務に合わせたシステムを開発しておき、その業務システムをベースに企業固有の機能を追加していきます。

これまで派遣や下請けでビジネスをされていた企業にとっては大きなビジネスモデルの変革になります。自社でパッケージビジネスを開始する形態となります。ただし、自社でイチからパッケージを開発し、販売していくのは非常に大変な作業となります。超高速開発ツールを使う事でこれまでとは違う形のパッケージビジネスが可能になります。TALONでは、このビジネスを行っていただくための様々なサポートを提供しています。

サポート内容は以下になります。

  1. 当社で開発した「カスタマイズ放題」シリーズを自由に改造してパッケージを構築していただくサービス
  2. 構築するパッケージに関する無償でのご支援

まずは、当社で開発しました以下の4つのカスタマイズ放題シリーズをベースに自由に再パッケージング化して頂くことが可能です。

これらの業務パッケージは全て無償となっており、自由にカスタマイズ頂くことが可能な物になります。例えば製造業の中でも特定の業界に対しての顧客が多い企業などはその業界向けにカスタマイズ放題生産管理を改造して、製品として販売頂くことが可能です。

次に、構築するセミパッケージについてのご支援を無償で実施しています。当社としてもパートナー企業様がTALONをベースに業務パッケージを作って展開して頂くのは非常に大きなメリットがありますので、構築しようとしている業務パッケージの業務モデリングから、TALONで構築する場合にどのように作っていくのが良いかなどのご相談まで、ご支援を実施させて頂きます。

私としては超高速開発が業務ITのデファクトスタンダードになるのはこの流れが加速していくことだと考えています。当社はこの流れが加速すべく全力で進めています。その為に、「カスタマイズ放題」シリーズを今後どんどん増やしていき、パッケージのベースとして使っていただけるように努めます。

3のパターン

「(やや小規模開発向け)顧客要望を受けて、即座にプロトタイプを作り、そのプロトタイプを用いて提案する事で受注につなげる。」についてご説明します。

現在、TALONへのお問合せを頂き、クラウド試用版をご希望のお客様には作る予定のシステムについて簡単に要件をお聞きして、サンプルを構築して試用版で動く状態にして提供しています。

これは、超高速開発ツールにしか実現しない新しい仕組みだと考えています。現在行っているサービスでは約10機能程度の画面や帳票を作成して提供しますが、およそ1日程度で完成します。これをパートナー企業様が同様に行う事で、新規の受注獲得に繋げていくというモデルになります。

所謂プロトタイピングになるのですが、これで顧客にいち早くイメージをつかんでもらいます。開発についてもウォーターフォール型でよくあるようなユーザテスト段階になるまでどのようなシステムになるのかがハッキリと分からないという不安が無い形での開発が可能になります。基幹システムのように規模が大きいとどうしてもアジャイル開発では厳しくなりますので、ウォーターフォール型になるケースが多いと思いますが、超高速開発ツールを使ったプロトタイピング手法を要件定義や概要設計に用いることで顧客の不安もかなり解消されますし、どのようなシステムが必要なのかがハッキリしてきます。

ここまでポストSIビジネスに超高速開発を用いるとどうなるかという視点で記してきましたが、重要なことは、提案型のビジネスになっていく必要があるという事だと思います。これまでどうしても自社で業務パッケージのような製品を用意する投資が難しいと考えていたSI企業も、超高速開発ツールを利用することで、投資は最小限で製品を用意し、提案型のビジネスにシフトすることが出来るようになります。

是非新しいビジネスを一緒に創造していきましょう。

それでは今回はこの辺で。

文=古関 雄介

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