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週刊診断コラム

〜中小企業診断士であるTALON開発責任者が日々現場で感じていることを綴ります〜

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第16回 2015年2月24日

デザイン言語と独占(2)

今回は前回の続きで本の紹介をさせて頂きます。

ピーター・ティール氏の「ゼロ・トゥ・ワン」です。

ゼロトゥワン

ピーター・ティール氏は電子決済事業のペイパルを共同創業し、その後スタートアップへの投資家として、また未来技術への投資・寄付を行っている事でも有名な方です。

彼の事業、経営に対する考え方やもっと広い領域への哲学などが掛かれているのが本書です。

冒頭で、彼が採用面接の時に必ず訊く質問というのが記されます。

  • 賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?

ストレートな質問だけれども実際答えるのはなかなか難しい問いで、彼自身が良く聞かされるのは、「この国の教育制度は崩壊している。今すぐに立て直さなければ」「アメリカは非凡な国家だ」「神は存在しない」などで、多くの人が賛成したり、論戦の一方に味方しているだけのような答えが多いそうです。正しい答えの形は「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である」のようになるはずと続けます。彼の答も本書に記されていますが、ネタバラシになってしまうので興味があれば読んでください。面白い答えで、本書を読み終えると納得する内容だと思いました。私自身の答えも最後に記します。

この本で一番膝を打ったのは企業経営は「独占」を目指すべきであるという点です。ビジネスをしている人であれば、あらゆるビジネスの常識としてあたりまえじゃないかと言うと思いますが、実際にある市場を独占するような事は出来るのでしょうか?本当にこのことは「あたりまえ」なのでしょうか?価値と言うのは差異にこそあると東インド会社の時代から言われていますが、差異どころか独占すべきだというのは極端すぎてあまり聞いたことがありません。※当然不正を行っていたり、国からの既得権を得ている場合を除いてです。

独占というのは競争が無い状態の事です。それはよく考えてみるとおかしな点に気づきます。資本主義は競争する事によって豊かになっており、競争のない、共有財産制である社会主義、さらにその先の共産主義ではとんでもなく貧しい社会になってしまう事がほぼ証明されています。資本主義は市場が価値を決めます。作り手と買い手のバランスで価格が決まります。独占と言うのはこのバランスが存在しません。作り手が1社であれば欲しい人がいる以上、作り手が価格を決めます。この事を突き詰めていくと社会主義的な市場の無い社会となります。そうである以上、競争がある状態というのが自然であると言えます。筆者はここに「ノー」と言います。それは嘘だと。同じような商品、サービスを同じ市場に提供すれば競争が起きるのは必然です。そうならない経営をしないと競争に巻き込まれて、やがて淘汰されてしまいます。

筆者は独占をする為に必要なのが「イノベーション」であると明言しています。イノベーションは製品やサービスでも良いし、新しくカテゴライズした市場でも良いし、販売方法でもなんでも良いのですが、これまでになかった物です。また、これまでにあるものを改良した物でイノベーションと呼べるのは最低でも10倍良くなっていないとダメだとも繰り返し述べています。

イノベーションを起こし、独占すると何が良いのでしょうか?価格のコントロールが効きますので高い利益をあげることが可能になります。これにより企業にゆとりが生まれて、様々な事が出来るようになります。筆者はこの状態になって社会的貢献などを行うべきだと言います。また、このような企業から次のイノベーションが生まれたりします。この辺りはグーグル社などをサンプルにかなり細かく検証しています。グーグル自身は外部にライバルだらけだ!と叫んでいるが、実際に視点をずらしてみてみると見事に独占を行っている企業であることが分かります。これを独占企業の嘘と呼んでいます。それでもこれまでにない価値を世の中に生んでいるので、世の中の為にはなっているのだと思います。この辺りは独占した後の怖さというのもあり簡単には全肯定出来ませんが。。

我々の開発・販売している超高速開発・運用ツール「TALON」はこれまでの開発手法に比べて少なくとも10倍の生産性を生み、これまでなかなか出来なかったユーザ企業自身が開発・運用をする事を可能にしています。データベースのSQL文、それもSELECT式を作るだけで業務アプリが完成するというのはそういう世界を見据えて作ったという想いがありますので本書は大変共感できる物でした。

他にも新しい市場が生まれた時には終盤を制す戦略でやらないと、初めに市場でリードしてもまったくの無駄骨になってしまうといった話や、ベンチャーは初めごく小さな市場でのチャンピオンをめざし、そこから広げていくのが一番良い(いきなり大きな市場に出て勝負に出てはならない)といった話、さらにどんなにすぐれた製品・サービスを作っても営業行為がより良く行われないと独占は築けない、もっと言うと差別化されていないプロダクトでも営業と販売が優れていれば独占を築く事が出来るといった話など、とにかく示唆に富んだ話だらけですので、製品開発者や営業の方などビジネスをされる方は是非読んでみると目から鱗が落ちるかもしれません。

最後に、冒頭にあった問いに対する私の答えです。

  • 自由な人生を生きるには気の遠くなる程のエネルギーを人生に投入する必要がある

実際には自由の定義を明確にしないとあいまいな答えですが、自分の意思を尊重した生き方をする為には自分と関わる人たちにその意思を尊重(≒認めて)してもらわないと軋轢まみれになるか全て自分の意志とは無関係に流されていく事になります。そうならない為には相当なエネルギーが必要だと思います。頑張らないで自由に生きるというようなフレーズは私が考える自由からは一番遠いと感じています。

それでは今回はこの辺で。

文=古関 雄介