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週刊診断コラム

〜中小企業診断士であるTALON開発責任者が日々現場で感じていることを綴ります〜

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第18回 2016年1月5日

超高速開発の本質について

2016年になりました。本年もよろしくお願いします。
昨年は様々なことがあり、あっという間の一年間でしたが、個人的に一番大きかったのはやはり「超高速開発」というキーワードが広がってきたということです。様々な出来事が重なり徐々に業界に浸透し始めている印象を受けます。大きかったのは、以下のイベントでしょうか。

ITPro EXPOで超高速開発ツール9社が共同展示(日経BPの記事はこちら

日経コンピュータ10/1号で超高速開発が特集記事として掲載
   当社のTALONも比較表に掲載されています。

他にもモデリング分科会での活動や、超高速開発コミュニティでの定例セミナーなどで少しづつ認知度が高まっているように思います。

当社の主力製品である「TALON」はまさしく「超高速開発」を実現するためのツールです。新年ということで、超高速開発の本質について考えてみたいと思います。TALONという製品の本質とも繋がる内容になるかと思います。

考えてみると一つの単純な問いが浮かんできました。それは、

・業務システムは、どうして欲しいものが完成せずに失敗することが多いのだろうか

という問いです。パッと考えるだけで相当量の答えが浮かんできます。

システム設計を最適に行えなかったから、、納期が短すぎたから、、予算が安すぎたから、、顧客の要望がコロコロ変わってしまったから、、などなどいくらでもネガティブな理由は出てきます。これらの理由は因果関係で言うと結果にあたり、枝葉の部分になります。では、失敗の根本である因(原因)は何なのでしょうか。

 

私が考える原因は、

・システム開発は難しすぎるから

ではないかと思います。この原因があって無限の失敗結果が生まれているように思えてなりません。

「難しすぎる」という言葉は非常に抽象的なので、具体的にしてみると本質について分かるかもしれません。何が難しいのかというと、

・顧客がどのような物が完成、運用していくかをイメージすること

ではないかと思います。逆に言うと顧客がこれをイメージできていさえすれば失敗の可能性は極めて低くなります。システムの専門家が設計したものに対して、このイメージが明確にあれば設計の判定が容易に行えますので、イメージ通りに設計を行うことが出来ます。

よく比較される建築業界の場合、設計中にルールに基づいた図面があり、模型を作って顧客がイメージ可能な情報が提示されます。そのうえで例えば模型に対して突っ込みや要望を入れてブラッシュアップしていきます。

業務システム開発の現場では、各ベンダーが独自に定義した設計書と業務フロー、システムフローを使って設計を進めていき、模型に当たる物として画面・帳票の紙芝居イメージ(Excelなどで作ることが多い)で顧客の確認作業を実施します。正直な実感として、この情報提示で完璧にシステムの完成形と運用の形がイメージできる方は非常に少ないです。理由は、相当な想像力が必要、かつ、ITのスキルが結構必要だからです。ここで提示する情報は抽象的なものがほとんどです。

画面や帳票のイメージは具体的なようにも思えますが、紙芝居なので実際に動かすことが出来ません。実際は中身のデータが様々に変化する動的な情報なのですが、ここで提示しているのは静的な情報なので、ここから業務が行われた結果の動的な情報を想像する必要があります。

設計書や業務フロー、システムフローも同様です。

当然建築物と違って実際に触ったりすることが出来ない「情報」を扱うので難しさの種類が違うのは当然なのですが、それでも建築の模型を見て実際にイメージするのと、システム設計書を見てイメージするのは難易度が違いすぎるように思います。

これが、私自身が10年以上業務システム開発の現場で設計し続けて感じた実感です。

現在世の中で一般的に行われている業務システム開発の手法だと顧客に完璧にイメージしてもらうには、動くものを作ってみて、実際に動かしてもらい、自社の業務とマッチしているか、運用がスムーズにいくかを試すことになりますが、これは相当大変な作業です。なぜなら、単純に2回作るのと同じことだからです。画面や帳票を実際に動く形にするためにはシステム開発が必要なので、最終的に動作するシステムと作成する工数はほぼ同じになります。そのため、紙芝居で済ませてしまうのが現実です。これが出来れば成功可能性は飛躍的に上がると分かっていても費用と期間がかかりすぎるために実現しなかったのです。

ちなみにアジャイル手法とは上記のような話とは違います。アジャイル手法は少しづつ作っていって顧客に都度確認してもらいながら徐々に完成していくという手法です。これは、小規模な開発であれば良いですが、ある程度の規模になるとコントロールが困難になってしまうのと、完了と責任が明確にならないので開発する側に請負契約で委託することは困難です。

実は映画の世界で、この2回作るが実現しているそうです。ハリウッドでは良い脚本が出来ると、一度フルCGで作ってしまうそうです。そのCG映画を関係者が集まってブラッシュアップしていき、実際の役者を使った本番の映画を撮るという手法が出来つつあるというのです。(参考:川上量生著 コンテンツの秘密〜ぼくがジブリで考えたこと〜

映画もできてみないと分からない職人的な世界だったのが、この手法により、ヒットするコンテンツを作ることが出来る可能性が高まることは明確です。

長くなってきましたのでそろそろ結論にいきますが、超高速開発の本質は、この手法を業務システムに持ち込み、顧客にイメージしてもらうことではないかと思います。

これまで説明した通り、今までのシステム開発では最終形の業務システムを作る前に一度作ってブラッシュアップするというのは困難でした。(アジャイル手法もシステム構築の工数は変わりませんので本質は同じ問題を抱えています)

しかし、超高速開発であればシステム構築の工数は飛躍的に短縮します。(当社のTALONを用いた場合、開発生産性は10倍を超えます。)これであれば最初の段階から実際に動作するシステムを作ってしまって、ブラッシュアップさせることが可能です。

私が真に革新的だと考えているのは、建築における模型、ハリウッド映画における一回目のCG映画はどちらもプロトタイプであり、これが最終的な完成品とはなりません。必ずもう一度作る必要があります。

それに対して業務システム開発で超高速開発の手法を使えば、最初に作ったシステムをブラッシュアップした結果は、最終的な完成形としてしまうことが出来るのです。

最初に作ったシステムをプロトタイプとせずに完成形として使う場合はアジャイル手法の進化系と言えると思います。従来のアジャイルとの違いは工数にあります。超高速開発手法は紙芝居を作るように作っていけます(極端に言えば打ち合わせしながら構築出来てしまいます。)がアジャイルの場合は開発期間が相応に必要です。そのため、開発に週単位の期間が必要となります。

ちなみにTALONの場合、システムを作ったら、そのシステムから設計書を出力することが出来ますので設計書を用意しなくても大丈夫な仕組みとしています。(もちろん別途設計する場合もあって良いのですが)

以下が私なりの結論です。

・超高速開発の本質は、顧客がどのような物が完成し、運用していくかをイメージすることが可能な点。

他にも本質と呼べるものはあるとは思いますが、システム開発はなぜ難しいか、という長年の命題に対する答えになると確信しています。

今年は、この本質を世に広めるべく、TALONを用いて頑張っていきたいと考えています。

それでは今回はこの辺で。

文=古関 雄介